商用ホームページの最適化プロセス

ホームページは一度作ったらそのままほったらかしておけるものでもありません。なぜなら、あなたがほったらかしている間に競合が人知れず切磋琢磨しているからです。

商用ホームページはチューニングしてチューニングして、改善を重ねていくことで、より、収益を上げるホームページになります。

ホームページの問題点や個々の問題の重要度を理解するには、ホームページにアクセスしてから、最終的に問合せや注文するまでのユーザーの行動を、「流れ(プロセス)」として捉えると、わかりやすくなります。そこで、プロセスに沿った改善ポイントをご紹介します。

1.何を誰に?

ホームページの目的と集客プロセスの合致について問題がある場合、まず、2種類の質問のいずれかを自社に対して行います。ひとつめは、「自社がどの商品を販売したいのか」、ふたつめは、「自社がどの商品のためのユーザーを獲得したいのか」です。これが「何を」にあたります。

誰が対象ユーザーなのか?

次に選択した商品はひとまず置いておいて、対象顧客について検討します。ほとんどのホームページはこの思考プロセスを抜くので、売り手の勝手な自己満足サイトになってしまいます。

対象顧客を明確化する質問は「何について問題意識(あるいは目的意識)を持った人が対象だろう」です。

漠然と、あなたの扱う商品に興味のある人では広すぎます。具体的にどのような問題意識、あるいは目的意識をもった人が一番あなたの商品を迷わず購入するかを考え抜きます。

水を売るならのどが枯れはてた人、レストランなら腹を空かせた人のように、どのような人であれば、一番、あなたの商品を迷わず購入するのかです。

シチュエーション的に問題意識を持っている人のみならず、目的意識に着目してみるのも一つです。例えば、色はピンクと決めてる人、とにかくすぐにという人、面倒を肩代わりしてほしい人、あまり望ましいものではありませんが、もちろん、とにかく安いのがいいという人等、考え始めればいくらでも出てくるのではないでしょうか。

これが「誰に」に当たります。 こうして、「何を」「誰に」のリストが出来たら、さらに次の質問をして考えを現実に落とし込みます。それが、「その人たちは何というキーワードで検索するだろう?」です。

何というキーワードで検索するのか?

ネット上からの集客をどのような形で行うにせよ、この質問を行います。検索エンジンからの集客に限らずです。

リスティング広告やSEOによって集客しない場合でも、何らかの集客アプローチによって、ホームページへのアクセスをしてもらう必要があります。

そうした際でも、この質問をしておくと、見込客の心の中のキーワードを言語化しておくことになるので、あなたの側が何をどうすれば良いかが明確になります。

ここまでで、誰が何をどのようなキーワードであなたのホームページへたどり着くのか、漠然と持っていた、あるいは、うまくプロセスが動いていなかった問題が具体的に改善できるようになります。改善内容は単純で、目的と集客プロセスを現状に合致するようにするだけです。

2.コンバージョンを取るための内容

ステップ1の「誰に何を」は一番の難関であり、一番重要です。ステップ1さえクリアできれば、あとはそれを形にしていくだけだからです。このステップ2では、ステップ1の内容を元に、どのように表現をすれば良いかを考えます。

究極的には、「選ばれる理由」をページに掲載出来れば概ね適切と言えます。選ばれる理由というのは、ステップ1で出した目的に対して、顧客の側から応えてあげるものです。

実は簡単な方法があります。ステップ1で出した目的の後に「なぜなら……」をつけてさらに文章を作り上げるように思考していくと、自然と選ばれる理由を組み立てることが出来ます。

ステップ1の例でいえば、 「『業務用 胡蝶蘭』というキーワードで検索する人が、このセールスページに来て業務用胡蝶蘭の卸売サービスを初めて契約をする」 なぜなら…… 「『安眠枕 通販』というキーワードで検索する人が、このセールスページに来て快眠テンピュール枕を購入する」 なぜなら…… このようにして、「なぜなら……」の後に続くトピックをリストアップしていくと、選ばれる理由は出来上がります。

「なぜなら」で出てこなければ、様々な角度から「なぜ?」と自問してみましょう。「なぜ一般用ではなく業務用?」「なぜ他社ではなく自社に?」、「なぜ近くの百貨店ではなく通販で?」ステップ1で出てきたキーワードを元に、思いつく限り、「なぜ?」と自問してみましょう。

このステップで出てきた項目、つまり、選ばれる理由のトピックを、整理した上で全て掲載します。

例えば、「他社では業務用は通販していないのに自社では通販を行っているから」という答えがあったとすれば、それをページにも掲載します。表現はうまいにこしたことはありませんが、まずは「業務用通販可能」という表記だけでも問題ありません。

とにかく、考えた末の答えをページの内容として掲載することが大切です。なぜなら、ここで思考した内容とこそが、ユーザーが知りたい内容であったり、行動するかどうかの判断基準となるための重要なメッセージだからです。もちろん言わなければ何も伝わりません。

3.レスポンス・デバイスは適切か?

ステップ1で目的を設定し、ステップ2で内容に落とし込むと、大抵は見違えるように、「誰のための何のホームページなのか」が明確になります。

このステップ3は小さいことですが、忘れてしまう人が多くいます。 ステップ3で検討するのは、具体的なコンバージョンを取るための仕組みです。どういうことなのかというと、レスポンスデバイスにまで細心の注意を払うということです。

レスポンスデバイスについては、このホームページ最適化プロセスの中で再度考え直してみると、予想以上に改善すべきポイントに気付くことがあります。

また、考えから抜けていたのであれば、新たに考える必要があります。 自問自答するための質問は、あえて言葉にするとしたら、次のようなものになります。

「目的や表現内容と照らし合わせると、レスポンスデバイスは適切か?」 設定した目的に沿うユーザーは電話で問い合わせたいか、電話で購入したいか、電話番号の表記はあるのか、セールスページで謳っている内容を汲みとった言葉をフォームにも記載しているか、というように、全ての経路がどこかでつじつまの合わない、あるいは欠落していないかを検証します。

こうした思考プロセスをふむことで、一貫性のあるコンバージョンの生まれる仕組みが出来上がっていきます。 このベースが出来れば、後は実行とともに、それぞれのプロセスが最適化されるよう、試行錯誤をしていくだけです。

打ち出す内容を変更してみたり、レスポンスデバイスを検討しなおしたりといったテストを繰り返し、改善していきます。

最適化プロセス全体のポイント

注意すべき点は、常に三つのプロセスが一貫性を保っているかに気を配ることだけです。目的の設定はもちろんあなたの自由です。設定した対象客に何を言うかも、どのようにコンバージョンを受け取るかも、あなたの自由です。

この最適化プロセスにフォーカスするようになれば、あなたが何を改善すべきかも見えてくることでしょう。大切なことは、こうしたプロセスの全体像を把握し、継続的に改善していくことです。

プロセスは「流れ」ですので、ホームページ制作のプロの現場では「シナリオ」、「サイト導線」とも呼ばれます。スムーズに流れれば流れるほど良いわけです。

そして、このプロセス全体のことを、「売れる仕組み」と呼ぶ人も多くいます。

費用対効果に優れた商用ホームページを

収益を上げるホームページというのは、基本原則を除けば十人十色です。しかしながら、多くの中小企業や個人事業主の商用ホームページは、小手先のつまらないことに一喜一憂してしまい、結果的に継続的な利益を刈り取るどころか、継続的なコストを垂れ流しています。

お金、時間、そして気付くと毎年のようにリニューアルしているホームページ。もちろん時代や環境的な変化によってリニューアルが必要になることもあります。

しかし、現実には、全体像を見ながら、細部に気を使った商用ホームページの設計、制作を行う会社は極わずかです。

ホームページはあまりに多くのことをやろうすれば出来てしまうことが、複雑さを生みだす原因です。しかし、基本的なチェックポイントについては、驚くことに10年前からほとんど変わっていません。

したがって、基礎的なことをしっかりと学ぶだけで、数年間に渡って知識を活用できると思います。

ホームページが着実に売上を上げるようになれば、ホームページはあなたにとって費用対効果に優れた良いツールになります。しかし、そうでなければ金食い虫にもなりかねません。

ぜひ、まだ見ぬあなたの顧客のために存在すべきものだという意識をなくさずに、戦略的に思考して頂ければと思います。