ウェブ・ユーザビリティの基本的な改善ポイント

ホームページのユーザビリティがコンバージョン率に関係することはよく知られています。ところが、ウェブユーザビリティが一体どのようなものなのか理解している人はほとんどいません。ホームページで収益を上げるのであればウェブユーザビリティについても配慮が必要です。

ウェブ・ユーザビリティとは?

ウェブ・ユーザビリティとは、ホームページの使いやすさ、分かりやすさのことです。ホームページのユーザビリティが悪いと、せっかくの訪問者を追い返してしまいます。

知りたい情報を探しに来たのに、いきなり動画の表示で待たされたり、探している情報がどこにあるのかすぐ分からなかったり、文字が読みにくかったりすると、訪問者はホームページから逃げ出してしまいます。

例えば現在では、ショッピングサイトのショッピングカートのアイコンに、「買い物カゴ」という文字をつけなくても、多くのユーザーは、それがバーチャルな買い物カゴであることを知っています。

同様に、初めて訪問するホームページはほとんどの場合、左右のどちらか、あるいはページ上部に横並びでそのホームページ内のメニューが並んでいることを知っています。

このように、ホームページ自体にお約束がすでにあります。暗黙の了解とも言うべきお約束は、上手に活用すると、分かりやすさ、使いやすさにつながります。なぜなら、新たに学習しなければいけないことがなくなるからです。

ウェブユーザビリティに配慮しない場合

お約束を守らない場合、つまりユーザビリティに優れないホームページの場合には、「よく分からないからまた今度」、あるいは「理解するのが面倒だから別の分かりやすいところへ」とユーザーは瞬時に判断し、ホームページから去って行ってしまいます。

商用のホームページを制作したのに、アクセスした途端に直帰されてしまうのではコンバージョンになどつながりません。実際に、アクセス解析の詳細なデータを見ると、ホームページを訪問後10秒以内に立ち去るユーザーが多いことに気づくケースが多々あります。

この原因の多くは、ユーザビリティに関する問題を抱えています。そのため、ユーザビリティを改善することで、直帰率も改善されます。

ユーザビリティを高めるのはそれほど難しいことではありません。ホームページのユーザビリティで気をつけるべき三つのポイントは、「ページの表示に障害を設けないこと」、「表示速度に配慮すること」「ナビゲーションを分かりやすくすること」になります。順に確認しましょう。

ページの表示に障害を設けない

初めて訪れたページに最新技術が使われており、ユーザーがページをうまく表示できなかった場合や、ユーザーが取ろうとした行動に対して結果が表示されなかったり、ブラウザがついていけずに終了してしまったりすることは、大きな機会損失をもたらします。

電話で例えれば、かけたはいいけど、「この番号は現在使われておりません。」と言われるようなものだからです。「あら、何か間違ったのかしら」と思ってくれた親切なユーザーがいたとして、二回目をどうにかチャレンジしたとしても、ほとんどの場合(それがユーザーの側にある操作や環境に問題があっても)、瞬時にそれが改善されることはありません。

その理由は、ほとんどの場合、技術的な相性に起因するためです。その結果、そのページは顧客獲得どころか、不満を提供したという結果に終わってしまいます。

ユーザーがページを表示する際に障害となることをやらないというのがお約束です。例えば、Flashムービーのドアページによって、目的とするページに辿り着く前に1ページ余計な手間が発生するケースがあります。

ドアページはアダルト関連情報ページへの年齢認証や、会員制サイトのユーザー認証以外ではビジネスとして役に立つ例はほとんどありません。したがって、無駄なドアページを見せるよりも直接ページ等へ誘導するのが良いです。

ページの表示速度にも配慮する

極端に情報量や文章が長すぎ、ページの読み込み速度が遅いページ、ページ表示の際にいくつものプログラムが動くためにページの表示に時間のかかるページ、そして、「簡単に作れる」が謳い文句のホームページ制作ソフトでレイアウトを行ったために、テーブルだらけで表示が遅いページなどもページ表示の障害になります。

特に検索エンジンからの集客を考えるのであれば、リスティング広告、SEO、いずれの場合にもページの読み込み速度の遅いページはインターネットユーザーの障害になるために評価を落とされます。

こうしたページ表示読み込みに関する障害を解決するには、情報の区切りごとにページを分割するか、HTMLやプログラムコードを最適化するといった解決策しかありません。

また、動画や音声の自動再生が行われるページはユーザビリティに優れていません。特に音の問題は閉じるか戻る以外にユーザーの選択肢がほとんどなく、いきなり音が流れ出して感動する人よりは、びっくりして閉じるか不快に思う人の方が多いのが特徴的です。

ユーザーがページを表示するのは深夜かもしれませんし、もしかしたら職場かもしれません。いきなり流れる音は止め方を探すよりも戻るボタンを押すか、閉じるなどしてまず音を消したいと判断するのが先になりますので、ページへアクセスしたと思ったら直帰してしまう大きな原因になります。どうしても音声を流したい場合は基本設定をOFFにしておき、音を出したいユーザーだけがONに出来るように設定しましょう。

ナビゲーションを分かりやすく

使いやすさに大きな影響を与える要因は、ナビゲーションです。特にメニューは、訪問者を見たい情報へ誘導し、ホームページにどういう情報があるのかを伝える重要なツールです。

したがってメニュー名は、各ページにどういう情報があるかをわかりやすく伝えられる名称を用います。仲間内や業界の人にしかわからない名称、そのページにどういう内容があるのかわからない名称をナビゲーションに用いるのは避けましょう。

次に、メニューに限らず、クリック可能な場所は強調しましょう。ホームページのお約束の重要項目ですが、クリック可能な場所は強調することで分かりやすくなります。

どこがクリック可能で、どこがそうでないのかは明確にしておかなければ、訪問者は混乱したり、不満を抱いて逃げていってしまうからです。

例えば、ページの中にある項目や写真等のうち一体どれがクリックできてどれがクリックできないのかが全くわからないケースがあります。また、クリック可能なリンクではないのに、ページの中で使う文字の色が青色だったりすると、かなりの確率でそれがリンクであると認識してしまい、混乱を招きます。その逆にクリック可能なリンクであるにも関わらず、そのように見えない文字列などは、リンクだと気付かれずに素通りされてしまいます。

ボタンはボタンのように見える必要があり、テキストリンクはリンクだと見える必要があります。そのための具体的な表現方法は、ボタンであれば凹凸を持たせること。テキストリンクは世界標準の青色に下線を使うのがお約束を利用した最もユーザビリティに優れた方法です。

最後に、訪問者が求める情報を見るまでの手間を減らしましょう。得たい情報へ簡単に辿りつけるホームページほど使いやすいホームページです。

1クリック、多くとも3クリック以内で見たい情報にたどり着けるのが理想的です。 逆に、見たい情報を見るまでの手間がかかりすぎるホームページは、訪問者が途中で逃げ出してしまいます。情報設計を適切に行い、情報へのたどり着きやすさを根本的に簡素化するか、適宜メニュー等を配置するかして、訪問者が得たい情報に到達するまでの経路を簡単にしましょう。

ウェブページ内の雑音を抑える

俺が、俺が、私は、私は、ほど見苦しいものはありません。ホームページも同じように、訴求、また訴求では五月蠅すぎて何が言いたいのか、何を聞けばいいのかユーザーは分からなくなっていまいます。

こういった雑音を抑えるのもウェブ・ユーザビリティを高めることの一つです。 ここでいう雑音というのは大きくふたつに分かれます。

ひとつめは、掲載している情報の内容、もうひとつは他のページへのリンクです。例えば、ランディングページなどで広告や全く関係のないバナーリンクなどがベタベタと張られているケースは、掲載している情報の内容という点からも、他のページのリンクという点からも雑音でしかありません。

これからセールスのための文章を読んでもらおうというページに他社の広告があっては、ユーザーの関心も散漫になってしまいますし、クリックされればそこでそのページから離れることになります。

つまり、雑音があることで、どのような弊害があるかというと、せっかく訪問してくれたユーザーを別のどこかに流出させてしまうのです。ホームページの訪問者はせっかちな傾向があり、一目で自分の探している情報がそのホームページにあるのかどうかがわからないと、逃げ出してしまいます。

トップページ等で動画を表示することは、ホームページから訪問者を追い出す大きな原因になります。真剣な訪問者ほど、何らかの情報を求めています。商用ホームページにきれいなムービーやかわいいアニメーションを求めて見に来るユーザーはいないからです。

ウェブページの騒音対策

雑音の多いページ(主にトップページ)になってしまっている場合、最も簡単に、分かりやすくする方法は、不必要な情報を省くことです。

例えば、ボイストレーニング教室のセールスのページには、間違いなく「アクセスアップ情報」などというバナーや広告は不要ですし、キッチンリフォームのセールスのページには、不動産情報は不要です。

不要な情報や不要なリンクは雑音でしかありません。より具体的には、不要な情報や不要なリンクがあればあるほどコンバージョンは落ちます。なぜなら、せっかく訪れたユーザーが集中できませんし、不要なバナー広告が多いところは何のホームページなのか分からないからです。

不要な情報を排除すればするほど、引き立つべきメッセージは引き立つようになります。ある一つの一番見せたいものがある時、最もそれを際だたせて見せる簡単な方法は、見せたいもの自体を飾り立てるのではなく、それ以外の雑音を極限まで削ってしまう方法です。

不要な情報を排除して、集中してほしいポイントをせばめてあげる事で、メッセージの訴求力も雑音が多い状態の何倍にもなります。

尚、リスティング広告からランディングさせる場合でも他のページへの不要なリンクを外したほうがコンバージョンが高まります。ページの雑音を極限まで削ぎ落すと、別ページへのリンクはいらなくなるということです。

雑音を出来る限り抑えて、分かりやすい情報掲載、訴求力のある情報掲載を行うとコンバージョンを取りこぼすことが減ります。

これらのお約束、「ページの表示に障害を設けない」、「表示速度に配慮する」「ナビゲーションを分かりやすく」、「雑音を抑える」が適切であれば、ホームページのユーザビリティはそれほど低いものにはなりません。

ホームページ制作上、とても基本的なことですが、ついついお約束を忘れてしまうことがあります。ユーザビリティに優れたホームページで、アクセスした訪問者を追い返すようなことがないようにしましょう。