特別・限定オファーのセールスコンセプトを理解する

販売しようとしている商品やサービスを今、購入することが、顧客にとっていかに特別なのかを適切に伝えることができると、購買意欲を促進するオファーとなります。このオファーのセールスコンセプトは、「今」というタイミングに付加される特別感、限定感です。

特別感/限定感の動機付け

特別や限定のオファーは、顧客から見ると、今だから買う動機づけになります。今しか手に入らないという特別感や限定感を適切に伝えることで、顧客のアクションを促進するからです。この特別/限定オファーを嘘八百で作ろうとする会社がありますが、それは身を滅ぼすだけです。例えば、数量が限定でないのに限定としたりなどですが、考え方さえ変えれば、嘘などつかなくとも、限定性をセールスライティングなどで伝えることは出来ます。

例えば、数量が限定ではない時に、限定性を嘘なく伝えるのであれば、出荷日と手間から考えて限定を伝えることが出来ます。商品自体は無限にある場合でも、発送業務、伝票チェックなどの問題からスモールビジネスの場合には一日あたりにさばけるキャパシティなどがあるからです。したがって、それを限定として伝えれば良いだけの話です。

一日に予約客しかとらない高級店などをご存知かと思いますが、こういったショップは、ブランド力がついていったから限定にしたのではなく、元々限定にしていたから価格が上がっていったと考えると、嘘など必要がないことが分かるでしょう。

特別/限定のオファーの種類

具体的に特別感、限定感を伝えるセールスコンセプト、オファーについては、いくつかの種類があります。知っておくだけでも使い分けができ、セールスの際のプラスアルファとして有効です。

シーズナル・セール

新年度や年間行事、クリスマスやお盆などのホリデーシーズンイベントに併せて、特別なキャンペーンを打ち出すと特別感、限定感のオファーとなります。シーズナル・セールの面白いところは、バレンタインが、作られたイベントコンセプトであるように、自分でも作れることです。

また、イベントというと楽しいものばかりをイメージしますが、法改正需要や事件といった、少し息苦しいイベントがあるのも忘れてはいけません。

例えば、最近の国内でも、給付金、消費税アップをはじめ様々な法改正イベントがありました。また、事件や災害、不安や病気の流行といった時にもイベントがあります(花粉症、日経7000円割等)。皆まで言いませんが、軍事産業は戦争があると儲かり、花粉症の季節にはマスクが売れるのと同じように、イベントは、時として大きなビジネスチャンスになるのは現実です。

理由公表特売

なぜこのような特売が可能になったのかを具体的に伝えることで強力にアピールするのが理由公表特売のオファー方法です。この特別感、限定感オファーのポイントはセールの内容そのものよりも、それに至った理由であり、誠実さを含む根拠です。

在庫処分や最終手段としても使えますが、コストパフォーマンスをアピールしたいときにも、そのコスト減について明確に説明することで、有効に活用することが出来ます。尚、ここで言う理由は企業努力のような綺麗なものだけではなく、泥臭い「今回の決算を超せなければ次年度がないため」であったり、「一部破損してしまいましたが、廃棄にも費用がかかる。それであれば安く…」のようなものを大いに含みます。 いかに覚悟を決めて、誠実に伝えられるかがポイントです。

値上げ宣言

売れ残ってしまった商品や、短期間に稼ぎたい時に有効なオファー方法として、「値上げ」があります。狙いは、値上げをすることで利幅が増えることではなく、値上げを告知し、「買うなら今のほうがお得」だと、「今」というタイミングに対する特別感、限定感を顧客に感じてもらい、購買アクションをしてもらうことです。

したがって、閉店セールのように長くやりすぎると、信用を失うので、必ず期間を決める必要があります。この際、統計的に、21日以内の期間に設定することで効果が上がり、これを過ぎると「まだ結構期間があるから今度でいいか」と人は感じ、効果が下がっていくことが分かっています。21日間というのは、一般にそれを超えると忘れ始める平均的な期間だからです。

期間限定特典

通信販売では非常に良く使われる期間限定特典オファーですが、それはそれだけ効果があるからです。期間を限定した特典をオファーすると、反応率が高まります。この際の期間設定についても最長でも21日にするのが良いとされています。3ヶ月間などの期間では顧客の側が「じゃあ2ヵ月後くらいに考えよう」となってしまい、結局忘れてしまい反応につながらないからです。 期間限定の特典は、購買の動機づけになります。具体的な顧客心理に対する狙いは、決断を後回しにせず、「今すぐ」にしてもらうことです。

プリ・パブリケーション(事前申込)

通称プリパブとも言われる、プリ・パブリケーションは出版社ではじまったオファーです。新刊の正式発売前に割引などをして予約申込を受け付ける等して利用されており、現在では、ゲームソフト、ソフトウェアをはじめ、大手PCメーカーでも利用されています。

このオファーの特長は、発売前に売上予測が正確に把握できることです。 その結果によってその後の判断材料と出来るところから、在庫を抱えずにまず販売してみるという際にも利用できます。

某大手PCメーカーではこのオファーを利用して、予約申込を募った結果4台しか注文がなかったため、その新型モデルの販売を即座にストップすることが出来ました。これをやっていなければ、大赤字だったところが現実的な判断材料があったおかげで救われた好例です。

予約申込を受け付けるのは、マーケティング戦略上のことに加え、流通の最適化にも役立ちます。売上予測はあくまで予測ですが、予約申込は実績値ですので、その差は歴然です。

尚、注意点として、このオファーは予約時にお金を受取るケースと提供時にお金を受取るケースがありますが、予約時にお金を受取っておいて、提供に不備があると当然問題になりますので、そこは注意したいところです。

ランディングページやセールスライティングで

以上のように特別感や限定感を適切に打ち出す伝え方はいくつかあります。そしてそれぞれが概ねセールスオファーとして有効に成約率、コンバージョン率に影響します。しかし、常に忘れてはいけないことは、それが真実を適切に伝えることでしかないということです。架空の特別感や限定感を醸成したところで長くは持ちません。ビジネスで継続的に顧客と取引を行うのであれば、その初めのきっかけで動機付けを行ったその後にはさらに期待に応えていく営業努力が必要なことには留意が必要です。