アウフヘーベン思考で自分を成長させる

アウフヘーベンという言葉があります。アウフヘーベンとは、簡単にいうと、対立意見をもって更に高みにある意見を導き出すという意味の哲学用語です。アウフヘーベンは仕事や人生において、自分を成長させたい時、大きく役立ちます。

自分の意見と相手の意見が異なる時

多くの人は、自分が否定されるかのような、意見に対し、反射的に拒絶してしまいます。その大きな原因はやはり、反論されると自分自身が否定されているような気がしてしまうからです。

ところが、それではいつまでたっても、人と関わることによる成長は望めません。あの人からこう言われたから、もうあの人と話すのは嫌だ。あの人と話してもいつも反対意見を言われるから嫌だ。こういう場合の自分の意見をテーゼ、相手の反対意見をアンチテーゼと言います。

アウフヘーベン思考で見解の相違を糧にする

アウフヘーベンは、自分の主張を押し通したり、相手を説得するのとは全く違います。アウフヘーベンとは、アンチテーゼとなる対立概念や対立意見に出会った時に、自分を殺さず、なおかつ相手をも認め、更にステージが上の何か(ジンテーゼ)を導き出す姿勢です。

例えば、ビジネスで商談の最中にクレームが発生した場合、こういった事を意識しなくとも、アウフヘーベンの姿勢をもって問題解決にあたれるとすれば、自分を成長させることが出来ます。恋愛等のパートナーシップでも同じです。彼が彼女に対して、彼女が彼に対して、疑念や対立が発生した時にはこの姿勢をもってあたる事で、自分も相手も成長し、問題に対して解決できるステージが変わります。

反論はアウフヘーベンで高めることが出来る

反論と出会った時はアウフヘーベンによって自分も相手も健やかに育つチャンスですが、そんなアウフヘーベンにも条件があります。アウフヘーベンを引き起こすには、「言うだけでなく聞く」ということが絶対条件となります。自分が何かを言うことによって返ってくる答えを聞くのではなく、言う事とは別に「聞く」のです。自分が主張した意見をそのまま、うんそうだね、で終わるようなケースにはアウフヘーベンなどありえません。ただの同意、同調だからです。

しかし、反論に出会った時には違います。自分が何かを主張し、それに対して別の意見、反対意見が出てきた時、それこそがアウフヘーベンのチャンスです。アウフヘーベンの姿勢や考え方を持っていると、より良いコミュニケーションを育むばかりでなく、思考アルゴリズム自体が変わってきます。つまり、聞ける人、一つ上ステージの解決策を提案出来る人になります。アウフヘーベンのコンセプトは、仕事においてでも、人生においてでも、参考になるのではないでしょうか。