ウェブマーケティングマスターになるために

ウェブマーケティングに限らず、道を究めるのは簡単ではありません。しかしウェブマーケティングについては、それまでにいかにテストをしたかによって決まります。もちろん創意工夫やセンスがあるに越したことはありませんが、テストを重ねることで、誰にでも平等に、マスター(道を極めた人)になれるチャンスも実現性もあります。ここでは集客にフォーカスします。

ウェブマーケティングが科学であるために

マーケティングが勘や測定できない何かでないために、科学であるためにはテストを行います。テストすることのメリットは大きく二つに分かれます。大損害の回避と成功継続性の向上です。小さな投資でテストを行いそれから大きな投資をするのと、初めから勢いで大枚をはたくのとでは、大きな失敗をする確率は歴然で、マーケティングで大損害を被るというようなことがほとんどなくなります。

同時に成功がまぐれではなくなりますので、継続的にマーケティングで成果を上げることが出来、応用も効きやすくなります。テストは面倒なことも多いですが、結局面倒なことでもコツコツと地道に積み重ね、筋肉質なスキルや成果を作り上げることが、最もビジネスに継続的に貢献します。

マーケティングの取り組みは常に比較をする

マーケティングで言うところのテストは、試験的に試してみてどうかを見てみるというだけではありません。必ず比較をします。比較をして、初めて、これはあれよりも良い、AはBよりも優れている、と結論づけられるからです。これは科学でも同様ですが、やってみて成功したら良い、失敗したらダメ、というのはテストでもなんでもありません。マーケティングの取り組みを行なった場合には、比較をすることで、結論を出します。

テスト・比較の際、出来る限り条件を一致させる

厳密な意味でのテストをしたい時には、必ずあらゆる条件を一致させるようにします。もちろん出来る限りです。例えば、広告Aと広告Bのどちらのほうが良いのかを知るには、同じ日に同じ媒体でそれぞれの広告を打つ必要があります。これをスプリットランとかA/Bスプリットと呼びますが、そもそもの意味は、Split(分割)なので、一つのものを複数に分割してテストとして走らせるということです。(通常、A/Bスプリットは2つの広告の比較、スプリットランはそれ以上の比較のことを呼ぶ)

アドワーズ広告などのリスティング広告では当たり前ですが、新聞にさえこのスプリットランを行うサービスがあります。広告欄を良く眺めれば書いてありますが、A/Bスプリットなどの場合、媒体側で広告を適切に分けて掲載し、その代わりに掲載料金が少し安くなるというものです。

なぜなら、テストをするために、掲載部数が多くなることで、媒体は利益を得れるからです。ネット広告、リスティング広告ではこの機能がはじめから備わっているのが普通です。設定さえすれば、広告露出を同条件の元に分配してくれますので、簡単に比較を行えます。

スプリットラン(A/Bスプリット)

スプリットランのやり方は非常に簡単です。基本的にはダイレクト・マーケティングの三大ポイントとも言われる、リスト、オファー、クリエイティブについて、分けてテストをすることで、最適な広告を発掘、あるいは研磨していきます。

二種類よりも三種類、三種類よりも五種類の、テストをすればしただけ、最適で最高の一つが出来上がります。この最終版広告のことをコントロールと呼びますが、広告テストというのは、この最終型であるコントロールを創りだすための作業です。

ターゲットリストのテスト

リストというのは、誰に対して広告宣伝をするかということです。特にダイレクト・メールの場合であれば、今年購入歴のあるリストAと去年購入歴のあるリストBなどというように分けて反応を比較します。オフライン広告であれば、女性誌がいいのかクーポン雑誌がいいのか等のように、効果の大きな媒体は何かということをテストします。リスティング広告の場合であればキーワード、露出先になります。

広告内容が全く同じであっても、誰を対象にするかによって反応が変わります。リストのテスト結果で分かることは、誰に対象を絞って広告宣伝するのが最も反応が良いのかが分かることです。その結果、より適切な対象の絞り込みが出来、効率のよい集客が可能になります。

オファーのテスト

広告の内容のうち、オファー(提案内容)を何にするのが一番反応が取れるのかを見出すことが目的です。何を打ち出せば、反応が取れるのか、何を提案すると反応が取れるのか、何を訴求すると、反応が取れるのか、徹底的にテストします。

例えば、無料プレゼントAと無料プレゼントBをそれぞれテストし、比較します。また、保証や安心を打ち出す広告と機能や価格を打ち出した広告と比較します。このプロセスは最も手間暇がかかりますが、このオファーのテストをとばしてしまうと、表現(次項のクリエイティブのテスト)を変えるだけの小手先に走ることになってしまいます。

クリエイティブのテスト

クリエイティブのテストはボディコピー(本文)やヘッドライン(キャッチコピー)についてテストします。本文のパーツに関しては、どのような文章表現にするか、図解をつけたほうがいいか、売り手の顔写真をつけたほうがいいかなど、考えうることは山ほどあります。

こうしたテストをせずに、「○○するといいらしい。」と表面的なことだけにとらわれて最適化を怠ると、マーケティングマスターからは程遠くなってしまいます。人それぞれ、売り手それぞれハマるポイント(成功する広告)が違うからです。

マーケティングテストの考え方

リスト、オファー、クリエイティブの3つのパーツについてテストをする場合、2種類のパターンだけで考えても、6通りの組み合わせがあります。つまり、一つのコントロールを生むためには最低6回のテストをしなければ見えてきません。

この6回のテストをやる前に、大きな投資をして広告宣伝をやると、結果が全く見えない広告宣伝になるのでリスキーです。したがって、テスト段階では出来るだけ小さい金額でテストを繰り返すことを念頭に置く必要があります。

どのような媒体でも、現実を知らなければ、数十万~数百万円の広告予算が必要だとイメージを持つかもしれませんが、実際にきちんと調べ、聞いてみると中学生のお小遣いくらいで出来る広告は数多くあります。新聞でも3行広告、案内広告などであれば、一行数千円からもありますし、ネット広告でも、メール広告は数千円から、キーワード広告は1クリック当たりの単価です。

スペースによって反応の大きなリターンはとれないこともありますが、スペースがいいからといって反応が取れるわけでもありません。テストをした結果のコントロールに予算を集中投下して広告宣伝をすると、現実的で、効率のよい結果を生むのです。

Plan Do Check Action

マーケティングというよりも、ビジネスの世界での言葉ですが、PDCA、あるいはPDCAサイクルというものがあります。Plan(計画)し、Do(実行)し、Check(検証)し、Action(改善後再実行)することを繰り返せば、おのずと結果は好転するというものです。

もちろんマーケティングのテストも同じです。PDCAを繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返すことでマーケティングの初心者から、マーケティングの熟練者、マーケティングの達人、そしてマーケティングマスターへと駆け上がっていくのです。

テストを繰り返し、PDCAを繰り返し、出来れば、少なからずの哲学でも拾いながらマーケティングの成功を手にした人は、マーケティングマスターの称号を獲得できます。それをしない人には称号どころか、捨て身の賭けによる結末しか待っていません。 最初に行うことは、Planです。まず誰に何を訴求するのか考えるところからはじまります。

いきなり実行はしません。考えることを実行というのであれば実行ですが、まずは、考え始めるところがスタートです。次にActionし、必ずCheckします。Checkの結果をActionします。このCheckは初めのPlanのアップグレード版のようなものになっているはずですから、良いスパイラルが生まれます。スタートは、マーケティングについて考え始めるところからです。

インターネットでの集客

インターネットでのマーケティングはその源流のほとんどがダイレクトマーケティングにあります。これは通信によって顧客とつながる通信販売という観点からも、顧客と双方向に対話するという点からも性格が似たメディアであるからです。

しかし、マーケティングは必ずしもダイレクトマーケティングやインターネットマーケティングだけを指しません。現代のように顧客の選択肢が膨大にある市場の中ではブランド、ブランディングが重要な意味を持ちます。

そのため、マーケティングは価値に始まり顧客に終わります。 SEMに代表される検索エンジンをメインとしたインターネットでの集客は市場性を検索ボリュームで見ますが、ニーズビジネスは出来てもウォンツビジネスが出来にくい特徴があります。このギャップを埋めるためには価値ある何かを提供するとはじめに決めたら、インターネット縛りをかけないことも一つです。売れるのが先か、ネットで売れるのが先か、ということです。

新しい商品やサービスなどは、そもそも知られていないわけですから、正にそうした状況はよくおこります。そんな時、どの市場にフックをかけてマーケティングを展開していくかはあなた次第ですが、インターネットや検索にはあまり縛られないようにすると、自由で美しいオーシャンが見えてくるかもしれません。

繰り返しになりますが、マーケティングは価値に始まり顧客に終わります。これだけ頭に叩き込んだら後はトライアンドエラー(PDCA)が未来を決めることは間違いのないことです。