コンテンツマーケティングとエンゲージメント(絆)

コンテンツマーケティングの本質はコンテンツを通してのコミュニケーションです。単純に役に立つ情報やコンテンツを一方的に提供することだけではなく、常に顧客からのフィードバックも得ながらより信頼性の高いコミュニケーションを確立していけるのが理想的です。

顧客との絆が深まるメカニズム

顧客とのコミュニケーションを深めるという事は、人間関係を深める事と同じです。したがって、コミュニケーションがより深めるためのメカニズムとして、次のようなものがあります。

顧客と頻繁に接する

何年も会わない友人であれば、どんなに仲が良くても疎遠になっていきます。もちろん生死を共にしたとか、同じ釜の飯を食ったなんていう場合には、何年たって突然会っても、打ち解けられる事でしょう。

しかし、ビジネスにおいての顧客とのファーストステップでそのような体験を共にする事はほとんどありません。そのため、マメに接する事が一番簡単で、適切なコミュニケーションの方法です。これをコンテンツを通して行うのであればさらにそれが資産として一体多のコミュニケーションにも活用できます。

顧客と双方向に対話する

双方向に対話するためにはお互いに親密感、親近感を持った付き合いをしていく必要があります。この為にできる事の第一歩は、まず出来る限り相手のためを思うこと、相手の話を聞き、誠実に、役に立てるように接することです。

毎回何かを勝ち取ろうとあからさまな人と双方向に対話したいと思う人はいません。メカニズムと大層なものでもありません。これらのたった二つのことに対して注力していけば関係性は深まります。具体的にはコンテンツマーケティングのようにコンテンツを介したコミュニケーションであっても、必ずフィードバックを受け取れるようにすることができます。

コンテンツを通してでもそうでなくとも

コンテンツマーケティングのようにコンテンツを通して顧客とコミュニケーションをとる場合、特に中小企業や個人事業主などのスモールビジネスにおいては、「売り手だから」というように、通常の人間同士のコミュニケーションと別だてて考えない方が良いでしょう。

建前で対話し、背伸びをしたところでスモールビジネスはスモールビジネスです。人間的対話というのが基本にあり、そのような身の丈にあった、コミュニケーションの仕方を念頭においたほうが良好な関係が築けます。それを単純にコンテンツとしてメディアの形にするだけです。

大企業だからという理由で取引をする人もいれば、担当者が○○さんだったからという理由で取引をする人もいます。スモールビジネスは違いを生む強みとしての意味でも、合理的判断としても、人間性を重視した立ち位置から顧客との対話に臨むことが、適切な顧客との関係構築の姿勢ではないでしょうか。

顧客エンゲージメント(絆)

デリダも言うように、一般的に声による訴求-フランス語でパロール-のほうが、伝えたい側の本質をぶれ少なく伝えることが出来ます。これに対して書くこと-同じくエクリチュール-によって伝えた場合、文章や文脈、行間の読み解き方によって人それぞれの解釈等が生まれやすくなります。

それでは、直接対面のようなパロールのほうが優れているかというとそうではありません。コンテンツマーケティングなどで言うところのコミュニケーションの本質とは、発信することのフィードバックを獲得し、その獲得したことに対してさらに何かを発信するという時差のある対話であり、それによって相互価値を高めることです。

そのため、エクリチュールによって、差異や差延(時間的にも生じるズレ)が生まれていくほど、一つ発信したことの内のフィードバックが幾何学的に増殖します。つまり、間違いなく伝えたければ口で言い、受け取り手の自由に任せてフィードバックをより多く受け取ろうとするのであれば文章や動画コンテンツなどのメディアコンテンツが適しているということです。

実際のビジネスの現場、ウェブマーケティングの現場に落とし込んでみれば、営業やセミナーといった形で伝えた結果、受け取れるものの質と量、ブログやメール等で伝えた結果、受け取れるものの質と量は明らかに後者のほうが多いのです。 これがマーケティングコミュニケーションの本質です。

メッセージを発信すること、受け取ること

コミュニケーションの本質は相互対話によって、より深い相互理解を高め、相互に価値を与えあうことです。これに対して、マーケティング戦略としての考え方は、幾何学的に受け取れる内容が多くなっていくことを期待します。

したがって重要になってくるのは、まず、コンテンツの形であってもなくても、何かしらのメッセージを発信すること、そして発信したもののフィードバックを受け取ることです。前述したように、ただ言いたいこと、役に立つことを伝えるだけでなく受け取ろうとする姿勢をもっておく必要があります。

コンテンツ発信、メッセージ発信、初めの一歩

何からはじめればよいかと言えば、顧客に伝えたいことをメッセージやコンテンツとして発信することです。発信する内容はフィードバックが得れるであろう顧客にとって有益な内容です。商品やサービスはプレゼントできなくともそれにまつわる良いこと楽しいこと、周辺の話題、顧客にとって有益とだけ考えれば山ほどアイデアは出てくるはずです。

様々な情報、知識、考えを伝えることで受け取れるフィードバックは、最初の段階では利益につながりません。しかし、長期的な視野にたてば、ほぼ間違いなく収益として受け取れることになります。さらにそれを超えて伝えていけば金銭には代えがたい何かを受け取ることが出来ます。このようにして創り上げられる顧客との関係性が、あなたやあなたのビジネスを中心としたコミュニティです。この顧客との関係性、状態を英語でエンゲージメント、日本語では絆と呼びます。